最果て

女、酒、殺伐とした現実について。twitter→@saihateHM

核地雷を踏む・前編(⬛︎ ⬛︎ ⬛︎ーメール 3発目)

※本記事中の⬛︎⬛︎⬛︎ーメールはハッピーメールとは一切関係ありません。

 

⬛︎⬛︎⬛︎ーメールのアダルト掲示板の募集を貪るように眺め回し、匿名掲示板等で情報収集したり、現地へフィールドワークをしては、裏の世界に触れたような気持ちになっていた私......。

 

satoraredempa.hatenablog.com

 

しかし実際に募集してる女性にメールを送ることはあっても、会うまではいかなかった。

この日までは。

 

たしか平日の午後のことだったと思う。仕事が休みだったのか、在宅で作業だったがあらかた仕事を終わらせていたのか、とにかく私は持て余した時間を猿のように⬛︎⬛︎⬛︎ーメールのアダルト掲示板を見ることに費やしていた。

 

⬛︎⬛︎⬛︎ーメールのアダルト掲示板の募集というのは極めて怪しいものが多い。タイトルにはあからさまに男性の性欲を刺激するような、煽情的な内容が並び、まるで三文エロ雑誌の見出しのようだ。そこにはセックスレスの人妻とか、セフレを募集してる女子大生が跋扈し、誘いをかけている。

私のインターネット歴はそこそこ長い。その中で痛い目にあったこともある。(上戸彩のプライベートセックス動画が流出!という見出しにつられてクリックすると、今すぐ何千万円振り込めみたいなページに飛ばされて、急いでパソコンをシャットダウンしたものの、請求の電話がくるんじゃないか、その前に親に相談した方がいいんじゃないかと、夕食の席、母親の眼の前で思い悩んだのは、まだ小⬛︎生のときだ)

なのでインターネットは嘘と真実が渾然一体と混ざり合った混沌とした空間で、その中で己自身の責任で真実を見極めなければいけない。

 

それは分かっていたはずなのだが、やはり時には目が曇ることもあるんでしょうね……あるんですよ。特に性欲に目がくらんだ場合とか。

私はずっと、はじめてハッピーメールをインストールしたその日に、夜の公園でアオカン、というアポをとったものの、やむを得ない理由でドタキャンしてしまった後悔をずっと引きずっていたのだと思う。あの時、私の手持ちに苺があれば……相手がネカフェ難民という、家出未成年の可能性もある、超危険球だったとしても、そう思ってしまう愚かな自分がどこかにはいた。どこかというか、主に自分の下腹部にいた。

 

そういうわけで下腹部に直立したアンテナが発する毒電波によってスペルマを吐き出すことしか考えられない猿と化した私が連絡をとったのはアダルト掲示板に「ウツ病SEX」というタイトルで募集をかけていた20代前半の女性だった。募集によると、嫌なことがあって落ち込んでいるため、セックスでストレス発散したいのだという。プロフィール写真には、豊満な胸の谷間を少しだけ見せた、髪色の明るい女性が、鏡を利用して自撮りをしていた。顔はスマホで隠れていて、分からない。そして、なんで私が、こんな一発で怪しいとわかる募集に引っかかってしまったのかも分からない。

 

いや、怪しいとは思っていた。いわゆる「業者」ではないかと。しかし、その時はきっとテンションがおかしかったのだろう。もう「業者」でもいいと思っていた。痛い目にあっても、それはそれで、いい勉強だと。過去に戻れるのなら、この瞬間の自分を金属バットで殴り殺して、いっそ、楽にしてあげたい。

 

待ち合わせに指定されたのは、案の定、地元の風俗が立ち並ぶ歓楽街のど真ん中にあるコンビニだ。眼の前、徒歩20秒のところにラブホテルがある。完全にプロですね、本当にありがとうございました。

 

バスに乗りながら待ち合わせ場所を目指していく。業者であることは分かりきっていた。覚悟は決めた、つもりだった。

スムーズに待ち合わせができるよう、自分の服装の特徴を伝える。相手は白のカーディガンにオレンジのワンピだという。その取り合わせに興奮する私。白のワンピースを着こなす女性が草原のなか、青空をバックにこちらへ微笑むイメージが0.5秒で喚起される。そのイメージはあまりにも強烈で、男の遺伝子の中に生まれながら焼きつけられているとしか思えない。

 

コンビニの前に到着すると、その旨を伝え、目の前のラブホテルを見ながらイメージトレーニングを繰り返す。まずはすぐさまホテルへ行かず、コンビニで何か買うか、相手に確認をしよう。そうすることで、余裕のある男性像を相手に示すのだ。当然、こちらが金を出す。何だったら昼間からお酒を飲んでもいいだろう。私もリラックスして舌が回るし、ほろ酔いの女性をするのは楽しそうだ……。

 

そう考えてるうちに、視界の端から、こちらへ向かって歩く女性の姿を着替える。女性は、確かに白のカーディガンに、オレンジのワンピ……? というか白のTシャツに紅色のワンピ……そして女性は写真よりも、随分とずんぐりむっくりとしているような……。

 

「⬛︎⬛︎さんですか?」

相手から声がかかる。やはり別人が派遣されたのか? 1%でも本人である可能性はないか? しかし考えている時間はない、事態は進んでいく。私はとりあえずシミュレーションした通りに、最初へコンビニに行くかを聞いてみたが、あっさりと遠慮される。

 

そうして心の中でだけ戸惑いながらも、目の前の誰とも分からない女性と、目の前のホテルへ連れ立って歩きだす。フロントで部屋を選び、並んでエレベーターに乗る。

どうでもいいけど、ラブホテルなのに、ふつうのビジネスホテルのように、受付嬢がいて、フェイストゥフェイスで対応されて恥ずかしかった。そして、受付嬢のほうが、私の隣にいる身元不明の女性より、よっぽど綺麗だった。

 

エレベーターの中、沈黙が重い。相手が「ウツ病SEX」というタイトルで募集をかけていたことを思い出した私は、ウツは大丈夫ですか? などと声をかける。そうすると、「あー、まあ、うん」などという気のない返事。部屋の前に立つと、「⬛︎⬛︎⬛︎号室ね」と口に出して、スマホを触りだす。そういえばフロントでもスマホを触って、というかあからさまに誰かに連絡をとっていた。

 

私は確信した。

 

私は騙されたんだ……。

この人は別人で、そして、多分ケツモチの男と連絡をとっている……。

 

 

 

後編へつづきます。

 

 

 

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